活用事例

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(左から株式会社マクニカ アルティマ カンパニー 黒崎様、石井様、甲斐田様)

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株式会社マクニカ アルティマ カンパニー
第3統括部兼新事業本部

甲斐田 陽一 様

第3統括部

黒崎 孝行 様
石井 庸亮 様

デバイスと繋いだ後のデータ活用までワンストップでご提供するために。
マクニカがMODEと目指す「繋がる」のその先

株式会社マクニカ アルティマ カンパニーは、半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス&ソリューション・プロバイダーである株式会社マクニカの社内カンパニーの1つです。

同社の提供するCassia Networks (カシアネットワークス)社のBluetooth Low Energy (BLE) ルーター「E1000」や空気質モニタリングソリューション 「AiryQonnect(エアリーコネクト)」端末とMODE IoT プラットフォームを繋ぐことで新たな価値を生み出そうとしています。

MODE IoT プラットフォームとの接続までの背景や過程とその後の変化について、第3統括部営業担当の黒崎様、技術担当の石井様、兼新事業本部の甲斐田様にお話を伺いました。

 

マクニカの魅力的な製品を組み合わせてお客さまへ

ーマクニカの事業内容を教えてください。

黒崎様:我々の所属している部隊は、最先端テクノロジーをベースにしたソリューションを販売、提案していく部隊です。

甲斐田様:現在マクニカでは、半導体単体の販売に加え、組み合わせて製品化し、さらには端末からクラウドにデータを集めてサービス化するという領域にもチャレンジしています。

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(Cassia Networks E1000)

ーE1000について教えてください。

黒崎様:E1000はCassia Networks社の超ロングレンジに対応したBLEルーターです。通常のBLEルーターではP2P接続距離は10m程度ですが、E1000は独自特許技術により見通しで300m以上の長距離通信が可能になっています。E1000の大きなメリットは、受信側のデバイスを変更することなく、このBLEルーターを導入するだけで長距離の通信が可能になることです。さらには接続台数に関してもコネクションモードで40台、アドバタイズモードを使えば数百台のデバイスとの通信が可能な点も大きなメリットです。

石井様:E1000は中にOSを積んでいる製品なので、エッジゲートウェイとして使えるという点も大きな特徴です。ルーターの中にクラウドと繋がるようなソフトウェアを書き込んで動かすことができます。

ー300mの長距離通信はすごい技術ですね!

黒崎様:今までBLEは、価格が安いため世界中に普及していたんのですが、通信距離が短く使いづらかったのです。しかし、このルーターを使うことによって通信距離の問題を解決できるようになりました。

API連携して他の機能と繋げられるプラットフォームは非常に魅力的でした

ーMODE IoT プラットフォームとの接続以前に困っていたことはどんなことですか?

甲斐田様:マクニカが取り扱っている魅力的な製品を組み合わせてお客さまに提供しようとする中、Cassia Networks社のBLEルーターを組み合わせて提案していく過程で、IoTクラウドプラットフォームの必要性が高まっていました。自社ですべて用意して進めるという考えがある一方で、専門とする企業とパートナーリングした方がサービス提供までのスピードを上げられるとも思っていました。

石井様:お客さまにCassia Networks社のルーターやBLEデバイスを組み合わせたソリューションを提案しようとする際に、クラウド側がネックになってしまってPoCで終わってしまうことが結構ありました。

ーMODE IoT プラットフォームを選んだ決め手を教えてください。

石井様:Cassia Networks社のルーターを基軸にサービスを展開するので、ルーターをクラウドベンダーのシステムの中に新たに導入することになります。その際の動作確認まで対応してくれるところがなかなか見つからなかったところ、MODEは柔軟に対応してくれました。もちろん自社でも検討をしていましたが、クラウドも含めた動作確認に対応してくれたところに非常に魅力を感じました。

甲斐田様:BLEの通信規格を使って1対nのいわゆる多接続を実現するためのプラットフォームを用意したいという思いがあり、ベンダーを探していました。他のプラットフォームベンダーではBLEの1対n接続を前提としているというよりは、主にスマホ連携を前提としたものがほとんどで、BLEルーターを経由してクラウドに繋ぐという話がスムーズできたのは、我々がお話をした限りでは、MODEだけでした。

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(石井様)

ーMODEが目指している方向が同じだと感じたのですね!

石井様:様々なデバイスと繋げることを想定して作られているMODEセンサークラウドは我々が考えていたストーリーと非常に近いと感じました。そしてデータを可視化するだけではなく、API連携して他の機器などと繋げられるプラットフォームは非常に魅力的でした。

甲斐田様:IoTが普及していく中で多数の端末を使ったセンシングの通信インフラにBLEを使ったものがまだまだ少ないと感じていますが、我々としてはCassia Networks社のBLEルーターを使うことで、もっとさまざまなアプリケーション向けにBLEを導入していただけるのではないかと感じています。MODEにはすでにBLEデバイスのラインナップも複数あり、BLEの課題を認識していたりと双方の思惑が一致していると感じました。

お客さまにクラウドを含めてワンストップでご提案できるようになりました

ーMODEのサポートはどうでしたか?

石井様:技術面のサポートと営業面のサポートと両方ありますが、両方とも本当にスピーディーで、親身になって考えてくれました。本当にMODEはみんないい人だなという印象で、一緒に仕事したくなる感じでした。

甲斐田様:やっぱりフットワークが軽いなとすごく感じましたね。

黒崎様:営業的に言うと、我々のビジネスモデルをこうしたいとお話しした中で、MODE側からこういったご協力ができますとしっかりご提案いただけたことがMODEを選ばせていただく最大の理由になりました。

ー費用面ではいかがですか?

石井様:多くのベンターではデータの送受信ごとに課金される仕組みでした。BLEルーターは常時データを受信するところが特徴なので、データを受信してデータをクラウドにあげるごとにどんどん費用が上積みされてしまいました。

甲斐田様:従量課金なので納得はできるのですが、どうしてもちょっと高いなと思えてしまう中で、MODEは価格が跳ね上がらない形でご提案をいただけたのがよかったです。

ーMODE IoT プラットフォームと繋ぐことで変化はありましたか?

黒崎様:今まで我々はデバイスとルーターだけを持ってお客さまのところに提案をしていたので、製品は面白いけどその後の開発が難しそうだなとか面倒そうだなと思われることがありました。今回MODEと組むことでお客さまがその先にやるべきだったところがすでに用意できているので、お客さまにワンストップとしてご提案できるようになりました。

石井様:MODEを使うことで、個別の開発をしなくても導入した時点で可視化の画面やログ収集、アラート機能までが使える。しかもPoCレベルではなくて、量産で使えるレベルのものが提供できるようになりました。

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(黒崎様)

ーMODEと連携する空気質モニタリングソリューション 「AiryQonnect(エアリーコネクト)」について教えてください。

甲斐田様: AiryQonnectは空気質を見守るためのマクニカのソリューションブランドです。このブランドには端末、コネクティビティと呼ばれる通信機能、上位側のプラットフォーム、そしてデータ連携を含んでいます。端末は元々弊社で取り扱っていた高性能な空気質センサーのICをはじめ、通信モジュール、マイコンなどを組み合わせて企画し、パートナー会社様にて製品化していただきました。その中の1つがAiryQonnect-E2で、MODEとの連携第1弾の端末です。

AiryQonnect-E2では温度、湿度、TVOCと言われる総揮発性有機化合物量を測ることができます。今後、CO2 濃度も測定できるようになる予定です。TVOCはわかりやすいところでいうと、塗料や化粧品などから発せられるガスや匂いの量です。

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(AiryQonnect-E2端末)

ーどんな場面で活用されるのでしょうか?

黒崎様:まずは工場や倉庫の作業員の見守りをターゲットとしています。MODE IoT プラットフォームにはアラート機能があるので、異常を検知したら利用者にメールを送るなどで通知することも検討しています。

甲斐田様: AiryQonnect-E2で倉庫内のガスを検知することで初期の火災を発見するという応用を考えているお客さまもいらっしゃいます。

黒崎様:作業員の働く環境や作業員自体のデータを集めたいというお客さまからの問い合わせもありますし、すでにデバイスとルーターを使ってもらっているお客さまに対してクラウドを含めたソリューションという形で提案していきたいと思っています。

マクニカとMODEのプラットフォーム同士を連携させて新たな付加価値を出していきたい

ー今後、MODE IoT プラットフォームを使って取り組みたいことや期待することを教えてください。

甲斐田様: AiryQonnectには通信規格がLPWA(LTE-Cat.M1)の端末もラインナップとしてあります。こちらにはマクニカオリジナルのプラットフォームを繋いでデータを集めています。
今は構想段階ではありますが、クラウドプラットフォーム間でのデータ連携をやっていきたいと思っています。ラインナップが多いBLE通信規格を持った各種IoT端末がCassia Networks社のルーター経由でデータを集める。その最初の入り口のプラットフォームとしてMODE IoT プラットフォームに繋ぎ、いろいろなデータが集まってくるという想定をしています。集まったデータをAPI連携させて、データを掛け合わせることによって新たな付加価値を出していきたいと思っています。

石井様:MODEはBLE通信規格以外にもカメラや気象センサーにも対応しているので、それらのデータを可視化するようなソリューションをプラスアルファで提供できれば我々のお客さまとしてもメリットがあると思います。

甲斐田様:MODEのカメラでイベントの前後を動画で記録するという機能とAiryQonnect端末を組み合わせて、CO2異常や異臭を検知した場合にそのときの現場の映像を紐付けるようなことはすぐにできるのではないかと個人的にはちょっと期待しています。

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(甲斐田様)

ーマクニカが実現したいことや実現したい世界はどんなものですか?

甲斐田様:マクニカは「道先案内人としてお客さまに伴走する」と言っているように、お客さまに寄り添って課題をスムーズに解決することを信条としています。今後も私たちが持っているアイデアやテクノロジーを組み合わせて社会課題の解決に貢献していきたいと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました!引き続きご支援やご協力をさせていただければと思います。
※掲載内容は発表会当時のものです。