事例インタビュー

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ACALL株式会社
取締役 / CTO

藤原 弘行

データ収集を一足飛びに実現。自身のビジネスに集中。

インタビューさせていただいた藤原様と代表の長沼様の2人で立ち上げ、今年創立10年目のACALL株式会社。オフィス受付の無人化・会議室管理・セキュリティ連携を実現するアプリ・クラウドサービス「ACALL」を「WorkstyleOS」へと進化させ、アプリケーションや外部サービス、IoTをつないだ、快適なはたらき方をサポートするツールとしてリブートしました。取締役の藤原様にお話を伺います。
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「らしく働く」WorkstyleOS

-WorkstyleOSについて教えてください。
これからの時代、働き方が多様になってくると思います。リモートワークですとかオフィスを構えるにしてもいろんなやり方があって。そういう多様な働き方に対して「インフラが整っていない」という課題を感じておりました。それを解決するために、クラウド上のOSのようなインフラサービスを提供して、お客様の多様な働き方の実現をサポートしよう、というところがコンセプトとなっております。具体的には、いろんなクラウドサービスやオフィス内のIoT機器ですとか設備とか、そういったものを「WorkstyleOS」1本で繋いで、より効率的に働いていただけるものを提供したい、と考えております。

-具体的な活用シーンを教えていただけますか?
「WorkstyleOS」上に、ACALLアプリケーションという形で、iOS、あるいはAndroidのアプリケーションをいくつか展開しております。例えばそのうちの1つが受付ですね。レセプションのアプリであったり、会議室を管理、ファシリテーションするアプリであったり。それらを受付とか会議室に設置していただくことによって、シンプルに、受付・会議室予約が効率化されるということが1つ大きなメリットです。それだけではなくて、クラウドサービス、Googleカレンダー、Outlookの予定表といったものとシームレスに連動ができたり、あるいは、SlackChatworkなど、ビジネスチャットと連動ができたり、クラウドサービスとオフィスの機器、我々が提供するアプリケーションがシームレスレスで繋がっていく、といった土台を提供します。また、クマヒラさんのフラッパーゲートとの連携とか、ダイドーさんの自動販売機と連携など、オフィスのいろんなものをクラウドでどんどん繋いでいく、ということを進めています。

センサーデータから生産性低下をキャッチしてフィードバック

-どのようなセンサーでどのようなデータを取得しているのですか?
まずは二酸化炭素濃度を測定することで、目に見えない生産性の低下みたいなものを早めにキャッチして、環境を直すことで生産性を向上する。最近でいうと、コロナウィルスの件で環境が重要視されていますので、そういう意味でも、換気を定期的に促すためのトリガーとしていいんじゃないか、というふうに考えてます。センサーは、ユニ電子さんのロガッタCO2を使っています。
あと、赤外線センサーですね。こちらを設置することで物理的な社内の方の移動を検知します。例えば、会議室に入室、退室されているようなこととか、そういったことを取得して、表示ができるんじゃないかな、と考えております。今検証しているのは、センサーワークスさんの赤外線センサーですね。

最後に、サンワサプライさんの、椅子に取り付ける端末センサーですね。シンプルに、今どこで働いているかっていう検知に加えて、例えば、ずっと座りっぱなしだったら、あまり健康に良くないよ、とか、そういうレコメンデーションとかできないかな、と考えているところで、御社の野本さんに組み込んで頂いて、データとしては取れるようになってます。
「WorkstyleOS」は、先ほど申し上げた通り、ビジネスチャットのアプリケーションと繋がっているので、「何かあったときに、該当の方に通知を送る」っていう仕組みはベースとしてあります。ですので、センサーから取得したデータをトリガー追加するだけでオフィスで働いている方へのアプローチを増やしていくことができそうですね。

時間もない、ノウハウもない。

どこから取り掛かっていいのかわからない。

-IoTプロジェクト発足時の課題とは?
元々、MODEさんのIoTクラウドを知る前は、自分たちで色々やってみようと思ってたんですね。一応、IoTに詳しい人間も何人かいたんですけども、専門ではないですし、時間もない、ノウハウもない。どこから取り掛かっていいのかわからないし。そんな状態なので商品としてお客様に価値を提供するまでに、かなり時間がかかりそうだな、見通しがなかなか立たないな、っていうのがありました。課題として、
やっぱりノウハウの部分が一番大きいですかね。リソースは社内のメンバーで確保できていたと思うんですけれども。だとしても、どんなセンサーを使って、それをどう「WorkstyleOS」のデータに組み込んで実験をやってみるか?ものを買ってきて組み立ててっていうところで、どうしても素人仕事じゃないですけど全てのフェーズで躓いていくと思ったんですね。そのあたりのノウハウ、実際に組み込んで、データを取って、というノウハウがあるスタッフ、あるいはパートナーさんがあればいいな、というふうに考えていました。

WorkstyleOSのこれから-1

ソリューションアーキテクトの信頼感とデータ取得実現までの容易さ

-MODEを選択した理由
やはり、上田学さんからお話を諸々お伺いしたときに、専門家でもおられるのでご相談して間違いないだろうっていう信頼感はありましたね。それに加えて、実際のIoTクラウドサービスの仕組みをご紹介いただいた時に、とても素晴らしいサービスだと思いました。サービスの内容もお伺いしたときに、我々が思ってもいなかったというか、そこまでやらなきゃいけない、でも自分たちでやるのは難しいなっていうのが明らかに理解できたので、教えてもらったり、あるいはサービスを利用させてもらったりすることが、我々としては大きなメリットになるだろう、と思いました。

-MODEを導入してから気づいたMODEのメリットはありましたか?
やはり、まず一番大きいのは、村岡さんに親身にアドバイスにのっていただいてどんどん進めていただけた、というところですね。村岡さんの今までのノウハウですとか、知識とか、我々がやりたいといったところに対する、「こうしましょう」っていうレスポンスの速さですとか、アイディアの多さにも助けられましたね。Slackでチャンネル作っているので、そちらで基本的には、お話をしていて、状況に応じてGoogle Meetでミーティングさせて頂いています。実際のプロジェクトの話だけではなくて、ちょっと違った、センサー関係の相談にも気軽にのっていただいてるので、そういうところもありがたいと思っていますね。
あとは、実際にやってみて簡単にセットアップできるのが一番印象的でしたね。もちろん新しいセンサー組み込みのところで、実際にそちらのエンジニアの方にやっていただいた、っていうのはあるんですけれども。弊社としては、届いたものを開封してくっつけるだけでデータが取れるっていう、しかもそれが安定してデータが取得できて色々気が利いたインターフェイスがある、そのため、我々は自身のビジネスに集中できる、といったところが大きなメリットだと思いました。IoTで大事になるのが、どうやって集めたデータを反映してアウトプットしていくかというのがコアになりますが、データが簡単に取れてすぐに我々にバトンが回ってくる感じで。データを取るまでのハードルが高くない。多分自分たちでやってたら、そこでいっぱい躓いてなかなか進んでなかっただろうな、と思います。一足飛びに実現できてしまったので、それは本当にありがたいと思いますね。

WorkstyleOSの今後の展開

現在、リモートワーク中心のワークスタイルに切り替わっていっている中で、我々もリモートワークを支援できるようなソリューションを提供したいな、と思っております。それは近日中に何らかの発表ができれば、と考えております。それとは別に、オフィスのあるべき姿、みたいなものも。役割は変わるにしてもオフィス自体は必要なことに変わりはないとは思っておりますので、そういったところで、もっと拡張した形でユーザーさんの支援ができればいいな、と思っております。具体的には、「WorkstyleOS」に機械学習とか、人工知能のエンジンを搭載して、いろんな働き方のレコメンデーションをできるようになったりとか、そういった形で進化を予定しております。

インタビュー後記

ACALLさんのようにソフトウェア開発の技術力の高い企業でも、IoTをビジネスで利用とすると大変な苦労をされているということが伝わってきました。ソフトウェア企業でも、Time-to-marketや自社の開発力を自社製品のコア技術に集中させることを考えると、IoTの足回りの部分はすでに実績のある弊社のMODEプロダクトを使っていただくのが1つの選択肢になっていることがわかりました。弊社のもともとのコンセプトが実現されているようで、とてもうれしいお話を伺えました。働き方の多様性が日本でも模索されていく中、WorkstyleOSの進化に注目です。